ここのところ独学が流行っているのか、独学と名のついた書籍などをよく見るようになった。
なかにはベストセラーの本もあるようだ。
不確かな時代になったからか、近年の自粛生活からか今のうちに独学で何かを身につけようと考える人が増えたからだろう。
学びが止まってしまった大人が多くいる中でこの流れはとてもいいことだと思う。
インターネットの普及とスマートフォンの出現が学びのあり方を大きく変えた。
例えば独学で英語を身に着けようと思えば、書籍の購入が主だったのではないだろうか。
あるいはCDに収録された音声などで学んだことだろう。
独学とは言えないが、英会話教室に通うことが一般的だ。
しかし、社会人になると仕事以外で使える時間が限られてくる。
一念発起して英会話教室に通うことを決めても、時間がなく途中でやめてしまった経験をした人も少なくはないだろう。
それがネット環境につながったスマホがあれば、いつでもどこでも隙間時間で学べるようになった。
しかも、今の時代は専門的な内容を取り扱った教材が無料でネット上に公開されてる。
活字だけでなく、音声や動画教材もあり、自分にあった学び方を選択することができる。
これだけ、学びたいときに学べる環境が整っているのに、少しの時間でも学びに使わないのはもったいない。
私は、独学こそが最高の学習方法だと思っている。
もちろん、専門的な知識は然るべき教育機関で学ぶのも必要なことだろう。
だが、あえて独学をおすすめしたい。
なぜなら、自分の時間を有効活用できることも一つ理由だが、自分の興味関心に従って好きなこと、得意なことを伸ばせるからだ。
自分の興味のまま知識を得て、知識と知識が融合し知恵に変わる。
その知恵が誰かの役に立ったり、社会の役に立つ。
そしてまた知識を増やしていく。
そのサイクルを確立することで新しい世界が開いていくのではないか。
なんと言っても、独学の基本は読書だと思う。
一番手軽で、種類も豊富にあるし、最新の情報から過去から読みつがれているものまである。
しかも一冊千円くらいで手にはいるのでコスパは最高なのではないか。
文化庁の調査によれば、1ヶ月に1冊も本を読まない人が47.3%もいるらしい。
同時に読書量を増やしたいと思っている人は60.4%いるという。
これは、とてももったいないことだと思う。
月に1,2冊の本を読む人が大半なので、まずは月に5冊くらい読み知識のベースを広げるところからところから始めるといいのではないだろうか。
私の知っている経営者でこの人の話は深いなと思う人はだいたい多読家である。
私達は子供の頃から知識の教授を中心とした教育を受けてきた。
知っている人から知らない人に教授し、その知識をテストで評価する。
数値化できる能力を認知能力というが、認知能力の高い人が優秀とされてきた。
暗記教育や詰め込み教育と言われているものが主流だが、今でもそ中心的な手法だ。
しかし、「これからの時代は非認知能力が大事」だと言われ多様な学びのあり方を推奨するようになった。
今の時代には認知能力だけで時代についていけないということだろう。
アクティブラーニングを取り入れ用とするところも増えている。
アクティブラーニングとは「考えていることを行い、また行っていることについて考える」ことと表現した。今では、これは協同学習、発見学習、体験学習、問題解決型学習、探求学習など、いくつかの教育学的アプローチを総称する言葉となっている。
参考:『学習評価ハンドブック』東京大学出版会
これから独学を始めようとするなら、まずは「学ぶ」とは何かえお考えてみるのはどうだろうか。
これまでと違う環境で、これまでと違う学び方を行う。
独学に対しての学び方を学ぶことで、世界は開かれていくと思っている。
参考:『学習評価ハンドブック』
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