完璧主義について
完璧主義と聞くとどんなことを思い浮かべるだろうか。
自分に厳しくストイック。
何事にも万全を期して、仕事もバリバリこなす。
完璧という言葉の通り、完全な人格をイメージするかもしれない。
ただ実際には少し違うようだ。
完璧であろうと考えることと実際の能力には関係がない。
そのせいで、メンタルをやられたり、他人と軋轢を生む原因になったりとネガティブなことも起こりがちだ。
この完璧主義だが、完璧主義の人物は世界的に増加傾向にあるそうだ。
一見強みとも言えそうな完璧主義だが、3つのタイプがあると言われている。
自己指向型と社会規定型と他者指向型だ。
先の完璧主義のイメージはこれだろう。
よく言えばストイックで自分に厳しく、高い目標をかかげがち。
仕事は完璧にこなさないと気がすまない。
これがすべて行動に繋がるなら強みになるが、計画が完璧になるまで動き始められない。
仕上がりに完璧を求めるので仕事がいつまで立っても終わらないと、弱みにつながる傾向にある。
ただ、厳しさが自分に向いているので少し楽に考えたり、自分をねぎらうセルフコンパッションなどで改善できる。
目標を達成しようと言う意欲があるなら、強みに転換することも可能だろう。
問題なのは次の2つの完璧主義だ。
社会規定型とは完璧の基準が社会にあること。
社会の常識や世間体というものを基準にし、こうあるべきという価値判断を自分に当てはめているタイプの完璧主義。
失敗を許せない体質や社会常識のなど、日本の価値観はこの傾向が強く出ている。
こちらは完璧を他者に求める指向性のことで、幸あるべきを他人き強要するので、他者に厳しくなったり、他人を見下したりということが起こる。
価値観を押し付けられることは誰でも快くは思わないのでトラブルの原因にもなる。
この様に完璧主義と言ってもいくつかタイプが有るのだが、ネガティブな要素につながることから完璧主義は改善したほうが良い。
①は自己だけで完結しているなら問題はない。意識に行動が伴えば強みになる。
ただメンタルに影響が出ていないことが大事だ。
特に②と③に関しては他人を巻き込むことになるのでもし自分がこのタイプだと自覚があるなら改善したほうが良い。
一見、自己指向形の完璧主義であっても社会指向が要因なこともある。
完璧主義の原因の一つに承認欲求がある。
社会から承認されるために、自分はこうあるべきだと考えているなら、それは社会指向型の完璧主義になる。
自分のためにということの裏には社会的な要素が入っている。
どのタイプであれ完璧主義が強みとして生かされている事は少ないのではないか。
高すぎる目標設定で動けない。
失敗を気にするあまり行動できない。
完璧にやりすぎようとして、燃え尽きてしまう。
というのは完璧主義の特徴としてよく聞く。
改善できるなら改善したほうがいいと思う。
完璧主義に限らず、自分の何かを改善したいのであれば、まずは自己分析から始めることを、おすすめしている。
自分の事はよくわかっているはずなのに、実は余りわかっていないことが多い。
自分が何に反応しているか。
反応にどういうリアクションをしているか。
思考のくせなど、長い間の経験で無意識に行っていることが多くある。
それらを意識の上に上げる。
難しいことはしなくても、気がついた時にメモに記録するだけでもいい。
自己を見直すきっかけになる。
自己分析ができていれば改善方法も見つかりやすい。
社会規定型では社会から見て自分はこうでないとならないというプレッシャーを感じているようだ。
自分で社会ではこういう人物が必要とされている、そのために自己を成長させようとしているなら原動力にもなる。
しかし、問題は社会が勝手に作った人物像と比較して、自分はこうあるべきだというと考えることだ。
前にも触れたが日本と言うのは他人に対して厳しい。
他人の失敗にはあまり寛容ではなく、全体を乱すことを嫌う。
その人物像は社会規定型の完璧主義が創り出しているのかもしれない。
今回は完璧主義について見てきたが、結局自分らしく生きていくのが一番良い。
自己指向形が本当の自分の目的であるなら問題ないが、他者の目や他人から承認されたいという欲求は自分らしさを失わせていると思う。
完璧主義の傾向から自分らしさを見つけることもできるかもしれない。