コーチングとは相互コミュニケーションをしながらクライアンを望む姿にたどり着くように対話を重ねていくコミュニケーションプロセスともいえる。
注意深く相手の発言を聴き、本音はどうなのか、まだ気づけていない何かがあるはずとじっくりと話を聞く。
これを傾聴といい、傾聴はコミュニケーションの基本とも言われている。
もちろん傾聴は大事なことであり、基本的なことでもあるのだが、当たり前のこと、相手が話をしてくれなければ傾聴することもできない。
相手が本音を話したり、自分でも気がついていないような内面を引き出していくには適切な質問をしていく必要がある。
しかし、この質問というのが奥が深くまた、難しい。
子供の頃は質問責めで大人を困らせることもあっただろうが、大人になると質問を苦手とする人も多い。
講演会やセミナーの後の質疑であまり手が上がらないこともある。
質問することになれていないからか、恥ずかしいからか。
日本人は謙虚だからということもあるのだろうが、それだけではないと思う。
質問が出ないと失礼だからと仕込みを準備することもあるようだ。
質問をするには相手のことをより理解していなければできない。
また理解するためにも質問が大事になる。
質問をするというのは難しいことだとつくづく思う。
傾聴と同じかそれ以上に質問にきを使ったほうがいいのではないか。
質問でもう一つ難しいのが自分自身に向けた質問である。
自分にむけての質問は、その問に答えるためなので、答えを考えなければならない。
考えることは脳に負荷がかかる。
簡単に答えが出ない問題であるほど深く考えなければならない。
それがしんどくなって考えることを途中でやめてしまう。
しかし、良質な答えを求めるなら良質な質問にこだわったほうがいいのだろう。
最近質問について数人で考える機会があった。
同じテーマで話をしていても人によって質問がちがう。
良し悪しではないが、やはり質問によって話の広がり方や、たどり着く答えが違うのだと実感した。
質問力を鍛えることはより良いコミュニケーションにつながるだろう。