未来を創る力

こんな時代だからこそ学問のすすめを読もう

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学問のすすめを読んだことはあるだろうか?
時々、福沢諭吉の学問のすすめをよんだことはあるかと尋ねることがある。
しかし、あまり読んだことがあると言う人にあったことがない。
福沢諭吉は知っているし、学問のすすめも知っている。

昔学生時代に読んだことがあると言う人はたまにいるが、内容まで覚えているという人にあったことがない。

なぜ今学問のすすめなのか?

今時代は転換しようとしている。

これまで当たり前だと思っていた、資本主義に意を唱える人が増えてきた。
中央集権型の組織から自律分散型に変化しようとしている。

世界的パンデミックや戦争も起こり、日本にも影響を与えている。
物価は上昇し、資源を外国に頼ってきた影響で物が不足している。
もはや、独立した国と呼べるのかも怪しい。

話を学問のすすめに戻そう。

「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」

このフレーズは聞いたことがあると思う。
人は生まれながらにして平等で同じ権利を持っている。
身分の上下はなく、それほど衣食住に困ることもなく、それなりの自由も保証されている。

学問のすすめ

このフレーズは聞いたことがあると思う。これだけだと世の中は生まれながら平等で、同じ権利を持ち身分の上下もなくそれぞれに自由が与えられているように思える。

これには続きがあり、実際には人の世は平等などではないといっている。

しかし、この人間の世界を見渡してみると、賢い人も愚かな人もいる。
貧しい人も、金持ちもいる。
また、社会的地位の高い人も、低い人もいる。
こうした雲泥の差と呼ぶべき違いはどうしてできるのだろう。

現代語訳『学問のすすめ』 齋藤孝訳 ちくま新書

そして『賢い人と愚かな人のとの違いは、学ぶか学ばないかによってできる』と言い切っている。

学びを止めていないか

私は教育関係の仕事に携わっているので、常々感じることだが子供の教育は熱心でも、大人の学びが減っているような気がしている。

社会に出ると新たな学びの時間をとるのも難しいかもしれないが、その磯が敷い中でも常に学び続けることはこれからの時代を生きていく上でとても重要になってくると思う。

社会人の読書量が年6冊以下という現状を見ても、学びが足りていないのではと想像できる。

日本はどんどん貧しくなり、格差も広がっている。そんな状況でも学ぶことを途中でやめてしまった人は多い。

そこそこの努力でそこそこの生活ができたこれまでの日本なら、それでも良かったのかもしれない。

しかし、日本の行く末を考えると、今一度学びについて考え、自分を高めていく必要がある。

学びの目的

この学問のすすめは全17篇からできている。それぞれに今の時代でも活用できる内容である。
最後に学びの目的についても引用しておきたい。

今の世の中に生まれて、国を良くしようと思うものは、何もそれほど苦悩する必要はない。
大事なことは、人としての当然の感情に基づいて、自分の行動を正しくし、熱心に勉強し、広く知識を得て、それぞれの社会的役割にふさわしい知識や人間性を備えることだ。
そうすれば、政府は政治をしやすくなり、国民は苦しむことがなくなり、お互いに責任を果たすことができる。
そうやってこの国の平和を守ることが大切なのだ。

現代語訳『学問のすすめ』 齋藤孝訳 ちくま新書

是非一度読んでみて学びの大切さを実感してほしい。

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