「他人に従属しない独立自由をめざして、犀の角のようにただ独り歩め。」
ブッダが語ったとされる言葉が記録された、『スッタニパータ』の蛇の章、犀の角で出てくる一文だ。
正確には
「仲間の中におれば、休むにも、立つにも、行くにも、旅するにも、常に人に呼びかけられる。他人に従属しない独立自由をめざして、犀の角のようにただ独り歩め」
ブッダのことば-スッタニパータ(岩波文庫)
ブッダのことば-スッタニパータ(岩波文庫)
犀とは動物のサイのことで、インドやネパールに生息している。
群れずに単独で生活しているところから、「犀の角のようにただ独り歩め」という。
このスッタニパータには、他にも多くの言葉があり、読むほどに考えさせられるようになった本だ。
仏教では悩みは人間関係で起こると言っている。
現代社会では何らかの組織に所属している人が多いだろう。
絶えず誰かと関わり合いながら生きている。
SNSで簡単に繋がれる時代になり、他者との交流が気軽にできるようになった反面、悩みも増えたのではないか。
『嫌われる勇気』のアドラー心理学でも「人間に悩みはすべて対人関係の悩みだ」ということが言われている。
組織の中で生きているのなら、人間関係は避けられないものだろう。
しかし、最初の文にあるように、他人に従属しない独立自由を目指すというのも、これからの時代選択の一つになると思っている。
セカンドライフやライフシフトを考えるときに、転職や再就職が候補になるのだろう。
人生100年などのキーワードで検索すると、あまりポジティブとは言えない記事や、状況が解説された記事をよく見る。
そういった記事を読んいると、ミドル・シニア世代には厳しい世の中になるのではないかと、暗い気持ちにもなる。
そんな状況なら、組織に従属せず、独立自由な生き方を目指したほうが幸福になれるのではないだろうか。
独立して生きるのは、孤独や孤立とは違う。
自分の人生を自分で歩んで行くということだ。
そのための知恵や方法を、書いていければいいと思っている。