検索で何でも見つかる今の時代、ノウハウを手に入れるのも簡単になった。
わからないことがあれば、スマホで一つで大概の知識は手に入る。
ノウハウにしても、細かなところまで教えてくれている動画なども探せば複数みつかる。
多くの人が使うことのない、レアな専門的ノウハウであれば、価値も高いかもしれない。
だが、このような時代に誰もが手にできるノウハウを習得することにどれほどの価値があるのだろう。
ノウハウ習得の前に、自分で試し、様々な知見を得ながら、1から積み上げることも大事なのではないだろうか。
以前こんな話を聞いた事がある。
「仕事上のノウハウがすでにあるのなら、それを教えてくれればいい。自分で考えるのは時間の無駄ではないのか」ということだった。
結果だけ見ればそうなのかもしれない。
効率だけを考えればノウハウ通りにやれば事がすむ。
車輪の再発明という言葉があるように、すでに確立されていることをもう一度やることに意味はあるのかだろうかと考えることもあるだろう。
だが、やり方や答えを教えてすぐにできるのであれば、それは誰にでもできる事ということにならないか。
成長過程にあったり、拡大期で人手不足の状態にあるような市場であれば、需要は見込めるかもしれない。
もしくは習得が困難な仕事だったりすれば価値も上がるだろう。
しかし、誰でも習得できるようなノウハウを手にすることに価値はあるのだろうか。
目の前のことを素早く解決するためには、ノウハウの入手もいいと思う。
だが、ノウハウに頼りきるというのもリスクが有る。
これからの時代、ノウハウの価値は急速に低下してくるのでは無いかと思っている。
AI化や自動化がもっと進むだろう。
多くの仕事が置き換わったり、無くなったりすると言われている時代、ノウハウ化できることほど早く置き換わるのでは無いか。
『AI時代の生存戦略』落合陽一著
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先程の会話にもあったとおり、ノウハウでできるようにはなるが、考える訓練にはならない。
自分で考えるというのはしんどいことだ。
だが、考えるということにも訓練が必要になる。
急にできるようになるものでもない。
特に、深く考えて新しいことを生み出す力はこれからの時代に最も必要なことではないだろうか。
ノウハウに頼る前にまずは自分でやってみる。
そこで得られたものが新しいなにかにつながっていくのではないかと考える。