コーチングではフィードバックをすることはあるが、答えに導くような誘導をしたり、アドバイスを与えるようなことはしない。
これは、自分の事は自分が一番よくわかっているという、ごく当たり前の前提があるからだ。
それを会話の内容から何らかの答えを想像して、話を進めてしまうと、それは誘導になる。
それに、表面上の話を聞いただけで、その人の事がわかるわけもない。
まして、何年もかけて価値観や信念を積み上げてきている人に向かって、アドバイスなどできるわけがないのだ。
聞き手よりも、相手の方が経験も知識も豊富に持っていることはよくあることだ。
では、コーチングが何をするのかと言うと、自分の内面に気づくための環境を作っているだけだ。
誰かと話をしているうちに、自分の考えに気づいたり、解決策を思いついたりしたことはないだろうか。
その状況を、相手の話をよく聞くことによって、意図的に作り出すことをしている。
しかし、自分の事は自分が一番良く知っているはずなのに、はっきりと自覚している人は少ないかもしれない。
今やっていることに満足を持てない。
なんのためにやっているのかわからないという話もよく聞く。
それはなぜだろうか。
それは自、己決定できているか。
内発的に動機づけられているか、ということが挙げられる。
内発的動機づけとは、自分の内側から起こる、「これをやりたい」などの自分の意志が行動の原因になっていることで、自己決定は、その行動を自己決定しているかということになる。
自分が何をやりたいかわからないという人は、動機が外部の評価似合ったり、強制されていたりする。
行動も自分で決定しているのではなく、仕方がなくやらされていることがある。
そうなると、本当に自分のやりたいことと現況にギャップを感じ、機能不全に陥っていると言える。
それが、自分のことがわからないといった感情になるのだろう。